群像劇で鬱なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの群像劇で鬱な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月20日の時点で一番の群像劇で鬱なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.5 1 群像劇で鬱なアニメランキング1位
無限のリヴァイアス(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (964)
5823人が棚に入れました
2137年、大規模な太陽フレアによって出現した高密度のプラズマ雲が黄道面を境に太陽系の南半分を覆いつくし、地球も南半球が壊滅、17億もの人命が失われる被害を受ける。このフレアは「ゲドゥルト・フェノメーン」、プラズマ雲は「ゲドゥルトの海」と名付けられた。2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは何者かの襲撃によって制御不能になり、ゲドゥルトの海へ突入してしまう。しかしその時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動した。教官たちは全員殉職し、リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。彼らはなぜか自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い、そして更には密閉された極限状態にある艦内では、艦の指揮権や物資の配給を巡り少年少女同士が陰惨な争いを繰り広げながら、火星圏から土星圏、天王星圏へと当てのない逃避行を続けていく。

声優・キャラクター
白鳥哲、保志総一朗、関智一、桑島法子、丹下桜、氷上恭子、檜山修之

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

SF版「蝿の王」

「蝿の王」と言う、「15少年漂流記」のパロディー傑作がある。

無人島に取り残された少年少女たちは、仲良く団結して助け合って困難を乗り越え見事に脱出する。。。。のではなく、

そこには社会的ヒエラルキーが存在し、互いにいがみ合い罵り合い、殺し合い。。まるで獣のように無法地帯と化すのだ。

日本社会そのものとほぼ一緒である。

無限のリヴァイアスはそのSF版「蝿の王」である。

個人的にはスクライドやコードギアスなんかより、こちらのほうが数段面白い。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 15

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

メッセージという名の疑似体験。

宇宙空間を漂流する危機的状況下を性悪説と性善説の見地から人間の本質について鋭く分析しており
悪条件の環境が齎す心情の機微を重点に、人間の負の感情を刻々と表現する至高のヒューマンドラマ。
希望の光が垣間見えない閉鎖空間の中、人間関係も歪みが生じ、悪循環に陥る深層心理は絶妙であり
無秩序な状態からどのような社会システムを築き生き抜く方策を見出すのかといった、プロセスも秀逸。
最早、鬱という一言では言い表せないほど、衝撃的な作品ではあるが、見応え抜群の大傑作SFである。

二転三転と移り変わる艦内の勢力図、予期せぬ敵襲、食糧問題など心身が蝕まれる絶望の連鎖であり
厳しい現状を打破するためには苦渋の選択も辞さないが、それで問題が解決するほど本作は甘くない。
現実的に予想される悲惨な展開を容赦なく、メッセージという名の疑似体験として視聴者に発信しており
法律・規則に縛られない状況下、人間がどのような行動を取るかを想像させる一種の思考実験的作品。

損得勘定を超え共通の目的のために切磋琢磨する眩しい友情一辺倒のジュブナイルとは乖離しており
人間の脆さ儚さから目を背けずに少年少女における内面のディテールを深く突いた本作は貴重である。
それ故、必要以上に鬱とカテゴライズされがちだが、極限のサバイバル生活での群像劇が、特質であり
寧ろ、鬱はその賜物、云わば付加価値的要素にしか過ぎないものと考えると、見方も変化してくるはず。
鬱という印象が強いのは事実だが、それだけで片付けるのは聊か勿体ないし、単なる鬱作品ではない。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 30
ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

『無限のリヴァイアス』にみる「鬱作品」と「秩序と現実」と「フランス史」についての考察

人間がもし秩序の無い閉鎖的空間に取り残されてしまったらどうのような行動を取るのだろうか。本作ではいつ終わるか分からない旅の中で織り成される人間模様の現実的な恐ろしさと残酷さを毅然と描写している。始めは穏やかだった人々の心境の変動は本作の醍醐味の一つであろう。群衆の狂気ともいえる情緒の移り変わりや主要人物達の葛藤を、二十六話をかけてじっくりと描き出している。艦内の秩序と統治方法の変遷は、まるで歴史の流れを見ているかのようだった。
また、本作は様々な人物が登場し活躍する群集劇である。登場人物の多様さと優柔不断の主人公が理由で、始めは余り感情移入することが出来なかったが、それぞれの人物の特異な背景を顧みると、少し遠くから眺め見る、客観的な鑑賞の楽しさがあった。

このアニメはもっと早くに見るべきだったと感じた。今まで私が敬遠してた理由は「作画の特性」と「子供が活躍するロボットアニメ」の二点なのだが、それらの苦手要素を凌駕する面白さであった。もしも同じような理由でこのアニメの視聴を避けている方がいたら、是非再検討を。「トラウマ」を考慮して、子供ではなく「大人」にオススメのアニメ。

■無限に続く秩序なき闘争状態
タイトルの「無限のリヴァイアス」は、ホッブズの「リヴァイアサン」が由来なのではないだろうか。ホッブズは人間が自然権を行使する自然状態は「万人の万人に対する闘争」の場であると表現し、平和と安全を達成するために人間は社会契約によって自然権を国家に移譲するべきだと説いた。そうしなければ、人々は永続的な危険と恐怖に苛まれると。そして権力の集合体である国家を指して、(怪獣)リヴァイアサンと呼んだ。タイトルの「無限のリヴァイアス」とは、「無限に続く秩序なき闘争状態」を言い表したかったのだろうか。

■「鬱作品」について ―「鬱と希望」と「秩序と現実」―
本作は「鬱作品」として周知されているが、本作には「鬱」に優る「希望」が包含されていると私は思う。それはこの作品の題材の一つでもあろう人々の成長物語に感化され共感を得たからだ。特に最終話の存在は鬱というより希望だと思う。寧ろ本作のモチーフであると言われる小説『蝿の王』の方が、悲惨な結末であったと私は記憶している。

この作品が鬱作品ではないと思う由縁はもう一つあり、私は今の現実の世界も「無限のリヴァイアスのようなもの」だと思う。
例えば日本。確かに日本は秩序ある安全な国だと評判だ。因みに「国」の存続に重要なのは「秩序」と「個人」の平衡だが、「力」がないと秩序は守れない。国内社会においては力は警察や裁判所などが有している。米国のように「個人」が銃を所持して自分の身を守る方法もあるけど、それは時には「秩序」を乱すこともある。そういった意味も踏まえれば、日本は世界の中でも「秩序」と「個人」のバランスが上手くいっている国だと思う。しかし日本でも殺人や暴行事件が全く無い訳ではない。それ故個々の事象に嘱目すれば、本作の人間模様も一概には「非現実的」だとは言えないのではないか。

また、国際社会においても同様なことが言える。殊に世界は「無秩序」だ。ヘドリー・ブルという人物が「主権国家から成る社会」の成立によって世界には一定の秩序が存在すると論じたが、世界には単一の中心的な権威が存在しないことは無視できない点である。それ故国際法を強制する主体は国際社会に存在しないし、国際司法裁判所の法的拘束力は「強制管轄権」を受諾した国にしか適用されない。世界の警察はいない。世界は未だ国家間の「力の体系」である。他国で不合理な出来事があったとしても内政不干渉の原則で我々は何も出来ないし現に何もしていない。国際連合は非民主主義的で、常任理事国は拒否権というあこぎな特権を有している。紛争、貧困、飢餓、テロなど、様々な悲劇もなくなる気配はない。世界は無秩序で暴力的で不条理だ。

所謂「発展途上国」でも同じだ。私は発展途上国で沢山の貧困者を見てきた。開発が原因で土地を追われ、物乞いをしながらも些細なモノを売って生活する人々。親に捨てられ住む家も靴すらもない子供たち、そんな子供たちも生きるために必死でなにか出来ることをして行動している。そんな世界では、鬱は死だ。鬱でゴロリと横になってる間に飢えで死ぬだろう。世界には彼らのような困窮な生活を過ごしている人が大勢いる。世界は不平等で残酷だ。

現実を見れば、世界なんてそんなものだ。世界は暴力と欲望と利己と不平等と言葉では言い表せないほどの卑しさで溢れている。そんな世界の中で、何かしらの「共通性」と「暴力」に拠って秩序は辛うじて保たれている。世界は「リヴァイアス」だ。この作品は鬱かもしれないけど、この作品の中の世界には鬱に優る希望がある。この作品を鬱だと思うことができるのは、相当幸せな生活を営んでいて、相当美しい世界を見ているのだろう。それを否定しないけど、この作品は現実に「当たり前に存在していること」を描いているにすぎない、ということだけは主張したい。

■フランス史との関連性と、統制する側の問題点
自学のために、無理やり「フランス史」を絡ませてもう少し考察
{netabare}
■【ルクスン政権】貴族制
ルクスン政権は貴族制だろう。成績をモニターに公表したのは能力主義、そしてエリートを集め、有能な少数の人たちで統制するのは貴族制。まさに合理的だった。(チャーリーへのハニートラップと、ルクスン政権の隠ぺい行為を口実にしたブルーの反乱が誤算だった)

■【ブルー政権】ルイ16世
ブルー政権は王政だ。ポイント制(貨幣制度)と監視制度は秩序をもたらした素晴らしい制度だと思う。ポイント制が資本主義でないのは、供給側が一元的だから。(社会主義的)
※戦況の悪化。そして、ハイぺリオンへ逃走しようとして失敗したブルーは、フランス革命の際にパリから脱出しようとして失敗したルイ16世さながらだ。

■【ユイリィ政権】フランス革命
民衆の反乱、王政の廃止、ブルー一派への集団暴行。まさにフランス革命だ。
(ブルーが逃げ切れたのは容姿が端麗だったからだろう)
政権については、「皆で決めたんだから」と、ユイリィが否応なしにリーダーにされた。この言葉から恐らく製作者側にとっては民主制(民主的決定)のつもりだったのだろうか。
しかし「無限のリヴァイアス」の元凶はここにあったと思う。
社会では、闇市場が出来、ポイント制は腐敗し、秩序も悪化する。結果は衆愚制(民主制の堕落形態)。民主主義が絶対の体制でないことがうかがえる。というより、民衆(残りの400人以上の大衆)の意見をないがしろにしたのだから、実際は寡頭制(貴族制の堕落形態)。民衆は醜い争いを見せるための脇役でしかなかった。ユイリィは総合的な決断力を求められるリーダーに適さなかったため辞任。リーダーがいない社会は混沌へ。

■【無政府状態】混沌
リーダーの不在により社会はほぼアナーキーとなり、治安は劣悪状態に。
実際のフランスでも革命後は恐怖政治などで、国内情勢は疲弊し不安定に。

■【イクミ政権】ナポレオン・ボナパルト
ここでナポレオンこと、イクミ登場。英雄兼、独裁者。イクミカッコイイ(?)
ナポレオンはフランス革命の理念を各地に「輸出」しようとした。
イクミも暴力によってイクミの思想を「輸出」して、社会に再び秩序が訪れた。
ナポレオンは、日本の旧民法の参考にもなったナポレオン法典を作った。
イクミも秩序のための公言をした。
「過ちを犯すな!もめるな!争うな!なじるな! 傷付けるな! 普通でいろ!」

イクミは頑張ったと思う。

■投降
イクミとリヴァイアスは投降し、リヴァイアス政権とフランス史の関連性は終り。

■【ルクスン・北条政権】
新たな船出のリーダーは、ルクスンに決まったけど、あまりにも適当な統帥の決め方に驚愕した。多分また暴動が起るだろう。でも結局、彼の政権が一番マシだったとも思う。

リヴァイアスを統制する側の権力の移り変わりは、まるで歴史の流れ(フランス史)を見ているかのようだった。そして、それぞれの「政権」がそれぞれの良さを持っていた。しかし、私はこの作品を見て「大衆の愚かさ」よりも「支配する側の愚かさ(統制の大切さと難しさ)」を感じた。支配する側は明らかに大衆を軽視していた。つまり、「リヴァイアス」はなるべくしてなったのだと思う。
とはいえ、私はどの政権も否定したくない。何故ならどの政権も前の政権を乗り越えて、より良い環境を築くために出来たものだからだ。既存の体制も法律も伝統も、そういった先人たちの積み重ねによって出来たものだから、何に対しても、その存在自体を悪だとは思いたくない。過去は捌け口にするためにあるのではなく、糧にして、その先を生きていくためにあるのだから。{/netabare}

{netabare}この作品の最後は、ゲドゥルトの海に覆われてしまった地球から、リヴァイアスが脱出するシーンで終わる。もっと未来の世界だ。その時代はきっと、昂治も祐希もアオイもカレンもブルーも、みんな死んでしまった世界なのだろう。それが何だか悲しいけど、彼らの希望が未来に繋がった事が嬉しかった。
私も、昂治が最後に言ったように、いつか滅びるこの世界と人類の未来のために、微力ながら何か力になって死ねれば本望だと思う。{/netabare}

投稿 : 2025/01/18
♥ : 24

87.5 2 群像劇で鬱なアニメランキング2位
ef - a tale of memories.エフ・アテールオブメモリーズ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (2435)
12467人が棚に入れました
広野紘と新藤景は幼馴染の間柄。紘はクリスマスの夜、景のパーティーに呼ばれていたが、ふとしたキッカケで宮村みやこと遭遇し、紘はマイペースなみやこに振り回されるはめに。
紘のクラスメイトで映研部員の堤京介はクリスマスの街を撮影中、雑踏の中に少女の姿を見つけキャメラを向けるが、つい彼女の姿を撮りそびれてしまう。
一方麻生蓮治は駅で新藤千尋と出会う。翌日、そしてその次の日も蓮治は無人駅におもむき千尋と再会するのだが…。

声優・キャラクター
田口宏子、岡田純子、やなせなつみ、後藤麻衣、下野紘、泰勇気、高城元気、中島裕美子、遠近孝一、浜田賢二

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

13時間って長いんですね!!

●これから観ようと思っている方、一度は挫折して観るのを諦めてしまった方へ♪
私も最初の1話・2話はとっても退屈でした〃´△`)-3ハゥー
でもそれ以降は、話が進む度に物語に引き込まれていって、感動のあまりに涙を流しておりました♪
物語の前半は、この物語の構成上退屈なのはしょうがないのかもしれませんね(^。^;)
というのも、別々の2つ物語が同じ時を並行して進行しているのと、1話の中でその2つの物語が、
折り重なるようにスイッチしていくので、キャラクター間の相関関係が判り辛いのかもしれません。
また、物語がまだ大きく動き出していない点も助長しているのかもですね♪
まぁ、嵐の前の静けさってやつですね(*^▽^*)
なので、差し支えなければある程度のキャラ把握と、簡単なあらすじを理解した上で視聴したほうが
スムーズにこの作品のストーリーに入っていけるのかなぁーって思いました。
 
■この作品の特徴。
見ている人の深層心理に働きかける演出が(゚ー゚☆キラッっと光る作品なのです。
過剰演出じゃないの?って捕らえる人もいるかも知れませんが、私はそうは思わなかったです♪
ただ、虚を突くだけの奇抜な演出ではなく、こだわりを持って一貫して綿密に練られた演出だからこ
そ、物語に深みを与えて見ている人に感動を与えられるのだと思うのですよ(゚ー゚☆キラッ
たとえば、キャラクターを中心に捕らえるだけではなく、わざと視点をずらすような、カメラワーク
だったり、色彩豊で写真のように美しい情景だけではなく、単調な色彩だけで表現したり。
そういった演出にプラスして、言葉や活字、光と影の使い方が絶妙だからこそ物語りにグッと引き込
まれていったのです♪
 
■物語の紹介
先に2つの物語から構成されているとご紹介しましたが、ここで簡単に整理しておきますね♪
 
★広野紘を中心のストーリー
・広野紘・・・・幼少のころ景や千尋を喜ばせようと思い、少女マンガを描き始めたのをきっかけに
        漫画家となる。新藤姉妹とは幼馴染。持病は腱鞘炎。
・宮村みやこ・・活発な気まぐれっ子。家庭環境が原因で寂しがりやな一面も。だんご大家族好き!?
・堤京介・・・・カメラをこよなく愛する好青年。(゚ー゚☆キラッと光る才能がゆえに映研のメンバーと
        はうまが合わなくなる。
・新藤景・・・・千尋とは双子の姉。紘の幼馴染。バスケットボール部のレギュラー。
        紘に、ただの幼馴染以上の感情を抱くようになる。
・雨宮優子・・・風のように現れて、風のように去っていく、不思議な女の子!?
 
★麻生蓮治を中心のストーリー
・新藤千尋・・・景とは双子の姉。紘の幼馴染。ある事故をきっかけに左目失明・記憶障害となる。
        肌身離さず日記帳を持ち歩いている。
・麻生蓮治・・・今は使われなくなった駅のホームで千尋と運命的な出会いとなる。
        本を常に持ち歩く読書好き。
・火村夕・・・・千尋の保護者代行をしている。
・久瀬修一・・・火村の昔ながらの友人。麻生家のお隣さん。
 
 
●総評
どちらのストーリーも涙が止まらなくなるような感動を与えてくだました♪
ただ、ラストまでの恋愛の質とプロセスがまったく違うので、ひとつの作品なのに、2つの作品のラ
ストシーンを同時に体感したような、今までに感じた事のない余韻に浸れました♪
これが同じような感動のストーリーだと、こうは感じなかったでしょうね(^ー'*)(,_,*)
一回観ただけではこの作品の良さを見切る事は不可能だと思いますので、個々のキャラクター目線で
見返していくもの良いかもしれませんよ♪千尋の日記帳みたいにね(*^▽^*)
そのまえに「melodies」の方も観たいと思いますw
 
 
※以降は個人的なネタバレメモです♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■45秒未満の邂逅であった。
いまいち意味が理解できていませんw
45秒未満で運命の出会いと気付いたっていうことなのでしょうか???
 
■13時間しか記憶を維持できない千尋の日記帳のルール
この日記帳を毎朝必ず読み返してください・・・これがあなたの記憶です。
必ず日記を残してください・・・その日の会話・行動・医療記録など。できる限り正確に残してください。
できるだけ他人との接触を避けてください・・・
日記に対して、これは私自身なのです・・・
 
■12歳と13時間を生き続けてきた千尋
無理した千尋が13時間を超えて日記を読まなかった時、12歳の少女に戻ってしまう。
「鎖に繋がれた羊と同じ」
鎖の長さ=12年、手の長さ(手を伸ばしても)=13時間、草食べつくす=小説を書き終える
好きですと言える間にお別れしたいと言う千尋、泣きながら最後に日記を読む千尋・・・
切ないですね。゚゚(>ヘ<)゚ ゚。ビエェーン
  
■かなり怖かったよ!!みやこちゃん!?(* □ )~~~~~~~~ ゚ ゚
デートの待ち合わせですっぽかされたみやこちゃん!!
過去のトラウマから、蘇ってくる「消えたくない」という恐怖がMAXに・・
紘の留守電へ訴え続けるみやこの心情は尋常ではなかったですね♪
その夜・・・
「もう届かないよ!!私が届かせない!!私が・・・・!!もう終わったの・・・」
必死のみやこと冷酷な千尋とのドロドロ展開ってヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
なんか、「ひぐらしのなく頃」っぽい怖さをちょっと感じちゃったのは私だけ・・・
 
 

投稿 : 2025/01/18
♥ : 90

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

個人的にシャフト最高作品だと思っている(レビュー全訂正)

全12話。efの1期です。

原作ゲームは未プレイ。

ストーリー構成は学園恋愛物。エロゲ原作ですがアニメでは全編通してシリアスストーリー。

原作プレイ者には結構不評みたいですが凄く面白かったです^^

少しダークな感じがあり取っ付きにくいかもしれませんがストーリーや演出が素晴らしい出来でした。

シャフトと言えば化物語や魔法少女まどか★マギカが有名ですが私はこの作品が一番好きです。泣きアニメが好きなのでかなり補正かかってますがねw

1期単体で見ても充分に素晴らしい出来なのだが、結構謎を残して終わるのし、サブキャラ扱い(?)の皆さんが活躍するので続けて2期も見て頂きたい。2期も1クールなので見やすいと思いますよ。

しかしながらシャフト独特の凝った演出。大まかに分けて2つのストーリーが同時進行の展開、各キャラの心情など1クールの中に詰め込まれた作品なので、アニメ観はじめたばかりの方にはハードルが高い気がします。

それでも素晴らしい作品なのでオススメしちゃいます。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 77
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高級の演出に彩られたラブストーリー

原作は未プレイです。

「麻生蓮治、新藤千尋」
「広野紘、堤京介、新藤景、宮村みやこ」

この2グループに分かれ、同時並行でラブストーリーが展開されていきます。

同時並行なので状況をつかみにくいです。
しかし、並行していることが、重要な意味をもっている本作。
理由はこの作品の続きである「ef - a tale of melodies.」で分かります。

この作品のテーマは、「記憶」と「夢」。


【記憶について】

「記憶」とひとくちでいうのは簡単です。
しかし、どういうものか言葉で説明するのは難しいもの。
頭の中に蓄えたデータ? 映像? 文字? それとも音?
人によってどうとらえるか異なる、そんなあやふやなものです。

記憶に関しては女性陣が深く関わっています。


▽新藤千尋にとっての記憶
{netabare}
千尋は記憶が13時間しか持続しないため、毎日日記をつけています。
しかし、それはただ「文字としての記録」です。
記憶とは異なります。
例えば、他人が書いた「楽しかった」のひとことからどれだけのことが読み取れるでしょうか?

「何があったから楽しかった」
「何があってこういう気持ちから、ああいう気持ちに変化したので楽しかった」

これで多少は具体的になります。
しかし、いくら言葉を尽くしても、心の動きは正確に表せません。
「『自分という他人』の書いた記録」、それが千尋にとっての記憶の正体です。
{/netabare}


▽新藤景にとっての記憶
{netabare}
景は、自分にとって一番の出来事がいつまでも続いて欲しいと思っています。
また、自分にとって最悪の出来事を引きずり続けています。
一つの記憶がいつまでも心に残り、結果的に足かせとなる。
景にとっての「記憶」とはそういう存在です。
彼女はその足かせから自力で抜け出すことをせず、誰かが連れ出してくれることを待っていました。
{/netabare}


▽宮村みやこにとっての記憶
{netabare}
彼女にとって記憶とは、自分の「居場所」そのものです。
誰かの記憶の中に積み重なることを求めます。
自分が人の心から消えることを「音がない」と表現しています。
その結果として「自分が人の心から消えることへの怖れ」から「特定の人物への執着」へつながっていきます。
{/netabare}


【夢について】

「夢」とは何か。
男性陣は女性陣の記憶と関わりつつも、自分の夢を見つめ直していきます。

▽広野紘にとっての夢
{netabare}
彼にとっての夢はありません。
学校に通いつつ、隠れ漫画家として生活していますが、何もかもが中途半端。
漫画家の仕事も自分の意志で始めたわけではありません。
「絵が上手だね」という何気ないひとことがきっかけ。
それがいつの間にかライフワークになっていました。
自分の「夢」はそこに存在していません。
彼はそれを「色がない」と表現しています。
しかし、景とみやこと話をつけることで、中途半端な自分にけじめをつけます。
それが、みやこの世界に色を与え、自分自身もはっきりした「夢=色」を認識します。
{/netabare}


▽麻生蓮治にとっての夢
{netabare}
「王子様となってお姫様を守ること」、そんな漠然としたイメージが夢です。
人を守ると口に出すのは簡単です。
しかし、いざ実行に移すのはとても大変なこと。
そして、彼が出会い「守りたい」と思った人物は千尋です。
たった13時間でできることは何か。
苦しみながらもひたすら模索し、千尋に一筋の光をもたらしました。
もちろん、これからも苦労は絶えないことは承知の上です。
それでも「千尋を守ること」「小説家」という具体的な夢を得ます。
そして、「人の記憶のなかから自分がいなくなってしまうことが怖い」。
千尋のセリフに感化され、自らも日記を書くことに決めます。
それが冒頭の「それは45秒未満の邂逅(かいこう)だった」という言葉。
実際に出会ってから40秒もたたずに別れています。冒頭からOPまでの語りは、蓮治の日記の内容だったんですね。
{/netabare}

▽堤京介にとっての夢
{netabare}
「夢を撮ることが夢」という抽象的な言い方をしています。
前に進もうとする輝きをとらえることが「夢」です。
しかし、彼の「夢」は一瞬で消えてしまうもの。
普段は、心を揺さぶられるその瞬間をとらえるため、ビデオカメラを回し続けています。

ストーリーの中では、紘と景の背中を後押し。
最後には、記憶の束縛から逃れて前に進み出した景に対し継続する「夢」を見つけることに成功しました。
{/netabare}


さて、この作品の一番の魅力は「演出」です。
単に目をひくためにしか見えないような映像が、大事な伏線になっていることに気付きます。
{netabare}
分かりやすいのはみやこです。
みやこの視点では世界がモノトーンで描かれています。
その後、紘との距離が縮まると色がついたり離れるとまたモノトーンに戻ったり。
そのときの心情をそのまま表しています。
目は口ほどにものをいいます。

夕日を背景にして、影になった千尋には、ひたすら強い孤独感、寂しさが表れています。
また、仕事中だけ世界が白黒の線画になる紘。
そこに本当の夢=色がないというヒントだと思います。
{/netabare}

・人と人との距離で心の距離感を表す
・絵のタッチで現実味を表す
・海や雲の描写で時間の移り変わりを表す
・カメラの位置で空気感を表す

細かいメッセージが、演出や背景の中に隠されています。


セリフを背景や演出に語らせる。
意味に気付いたときには鳥肌が立ちました。


各話のタイトルも凝っています。

1.eve
2.upon a time
3.paradox
4.honesty
5.outline
6.rain
7.I...
8.clear colour
9.forget me not
10.I'm here
11.ever forever
12.love
coda.dream

頭文字を取ると「euphoric field」。
OPテーマソングのタイトルになります。
直訳すると「幸福の領域」ってとこでしょうか。


さらに、

テーマソングの「euphoric field」の頭文字は「ef」です。
{netabare}
OP中に流れる背景に描かれているのは、千尋の書いている小説の内容です。
{/netabare}

また、

回を追うごとにEDの曲が変わっていきます。
同じ曲でも歌詞が内容に応じて変化します。


これでもかといわんばかりの徹底した演出へのこだわり。
それを伏線にしてしまう本作。
そして、この物語と伏線は、2期の「ef - a tale of melodies.」へと引き継がれていきます。

・速いペースでの群像劇
・抽象的な会話
・頻繁に入る独特な演出。

1度見ただけでは、ただのシリアスで小難しい恋愛アニメに感じるかもしれません。
しかし、そこで評価してしまうのはもったいない!

本番は2周目以降から。
内容を知ったうえで視聴をすると隠れたメッセージが、山ほど見えてきます。
それが2期「ef - a tale of melodies.」での感動につながります。

ぜひ見ていただきたいオススメの作品です。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 104

85.0 3 群像劇で鬱なアニメランキング3位
ef - a tale of melodies.(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (1582)
8457人が棚に入れました
天才美少女の広野凪にいつも振り回されている火村夕は、ある日、雨宮優子と言う不思議な少女と出会う。優子は夕の事を知っているようだが、彼女の事は夕の記憶には無かった。優子は、夕に不可解な言葉を残して立ち去る。
一方、従兄妹の麻生蓮治の家に泊まりに来ている羽山ミズキは、美しいヴァイオリンの調べを耳にする。それは蓮治のお隣さんの音楽家、久瀬修一の奏でる演奏である。蓮治の母、麻生すみれは、休暇中のミズキの世話を久瀬に頼むのだが--。

声優・キャラクター
中島裕美子、遠近孝一、後藤麻衣、浜田賢二、伊藤静、古澤徹
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

奇跡なんて無い あるのは偶然と必然 誰が何をするかだけ

2008年に放送されたテレビアニメ ただし、一部の地域で。 東京は2009年に放送。

ef第2期として、1期と同様にアダルトゲームef-a fairy tale of the two.が原作となる。
ゲームは2部作で、この作品はゲーム完結直後の制作。

監督 大沼心 制作 シャフト スタッフは前作と同じ

舞台となるのは二つの街。
大震災で崩壊した日本の音羽市とオーストラリアの姉妹都市(音羽市)
この位置関係を理解していないと物語の理解は難しくなると思う。
日本の音羽市をドイツ風に建築し直し、オーストラリアはそれを模倣した。
後者は実験的に開発された都市で鉄道は存在しないが駅は存在する。
これが1期のあの駅ということになる。電車の通っていない最果ての駅。

大沼監督は、蓮治・千尋の物語を読まず、
ブログ上の感想から演出方針を決めたと語っている。
それでは原作ファンは納得しないかもしれない。
たぶん、こちらは原作との距離を縮めるべく造られただろうと想像する。

このefは恋愛群像劇ということになって4つの恋愛が主に語られる。
ef1を観て盛大に泣いた私が言うのもなんだが、恋愛ゲームは演劇である。
演劇で泣かせてくれれば、楽屋でタバコを吸っててもどうでもいいのだ。

このef2期では複雑で深く悲しいまたは幸せな物語が演ぜられる。
奇跡は起こらないことが前提のようだ。
誰が何をするかだけ、と作中で語られる。

驚いたのは10話が2つあるということ。モノとカラー。
放送時点ではどうなのか知らないが、
この観直しが無ければ物語から迷子になりそうだった。

{netabare}残念ながら、真尋ストーリーほど引き込まれる物語性は感じられなかった。
奇跡は望んで得られるものでは無い、とキャラたちの生きざまが描かれる。
なぜかわからないシーンで涙が出た。ラストはグッと来た。
2期としてはそれが理想なのだろう。{/netabare}

1期2期と連続して演ぜられた物語は厳しくも優しい真実を表現して、
ノベルゲーム原作アニメの最も優れた作品と評価したい。

この2期は再視聴が必要と感じたので、観直す時が来たら書き直そうと思っています。
 

投稿 : 2025/01/18
♥ : 28

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初体験させてもらっちゃいました(^ー^* )フフ♪

■「memories」を観てから「melodies」を観ましたか!? (^・ω・^).....ンニュニュ?
「memories」を観ていない方がいましたら、気を付けてくださいね♪
えっと、スペルがなんとなく似ていますよねw実は・・・私の家の近くのレンタル屋さん・・・(;`O´)oコラー!
やっちゃっていました・・・最初に並んでいたのが「melodies」だったのですwww
しょうがないのでそっと直しておきました・・・・o(`⌒´*)oエッヘン!
 
とまぁ~前置きはさておき、「melodies」を視聴して思ったのですが、
「ef」は「memories」と「melodies」を1期2期と分けて考えてはいけない作品だと思うのですよ♪
2つ合わせてひとつの「ef」なんです!!
それを踏まえた上で・・・・・・・名作と呼ばざるを得ないでしょう(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」オオオオオッッッ
 
■ここがすごいよ「ef」
演出は「memories」のレビューでも書かせて頂きましたのでここでは省略しちゃいますけど、
引き続きストーリーに深みを与える演出でよかったと思います。
それよりも光っていたのが、シナリオ構成に非常に感心させられちゃいました♪
 
前作の時と同様の手法なのですが、本作品では「過去」と「現在」が交互に語られていくのです!!
しかも、前作ではなかなか気付きにくいですが、実は、2つの音羽町が存在しているのですね♪
日本の音羽町とオーストラリアの音羽町なのです☆彡
「memories」ではサブキャラの設定だった「久瀬 修一」「羽山 ミズキ」「火村 夕」「雨宮 優子」
がメインで物語が展開していくのです♪
時空も違う、そして遠く離れた2つの音羽町で、とっても切なく悲しい物語が展開されていきます。
 
でもね、物語が進むにつれて、不思議と遠く感じられた距離がだんだん近く感じられるようになって
くるのです♪
そして最後は「memories」と「melodies」でバラバラだった関係や想いがすべて繋がって見事なまで
に融合した結末がまっているのですよーオオーw(*゚o゚*)w
だからこそなのですよー♪「memories」と「melodies」で「ef」なのです☆
そうです・・・「それぞれの想い」と「それぞれの旋律」が重なった時、「ef」が完成されるのですね♪
 
■旋律=メロディーについて
なんと・・・私は「melodies」で貴重な初体験を経験してしまいました!!!(* v v)。ハズカシイ・・・
バイオリンの音色でホロリと涙が零れ落ちたのです・・・しかも・・・まだ物語の最初の方の演奏でww
そんな調子だったので、優子やミズキちゃんの歌を聞いた時は・・・(TT▽TT)ダァー でした!!
おそるべしって感じでしたね♪
もちろんOP曲やED曲も胸にジーンと来ましたよ♪でも「A moon filled sky」は凶器ですw
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
生きる勇気と~抱く未来と~皆がくれた強さ~愛を信じて~
細い指先~綺麗な瞳~忘れないのmemory~刻む面影~
もっときっと遠くを~夢に目指して~私寝顔思い出す~触れる幸せ~
空の彼方に~届いて願い~心遠く飛ばすわ~私と歩こう~
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ところで皆さんは、途中で割り込んでくる 『01「Mut」』とかの意味は分かりましたか?
どうしても判らない人は、メール頂ければこっそり教えてあげますよ(゚ー゚☆キラッ

投稿 : 2025/01/18
♥ : 47

ある晴れ日曜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ぶっちゃけよくわからんけど泣けた~!

いやね、ストーリーはスゴイっすよ。良いと思いますです。
で、真のアニメ好きには神クラスのアニメなんだと思います。

ただ、オイラみたいな熟練度の低い者には、演出が凝り過ぎてて、どことどこが繋がっているとか予想できずにサラサラ流れて見てしまいました。

ポイントポイントでは、鬱だったり「あ、そういうことか」とか話がほぐれてきて面白いんだけど、もちっと判りやすい方がオイラは良かったです。

そんな俺ですが、終盤は泣きました。
泣き度は1期よりちょい落ちますが、泣けちったね。
重さは1期より重い・・。

みんなのレビューをみて、OPに変化あり、こだわりありなどの情報を知って見返してなるほどと思ったりとか、場面場面が変わったり、ドイツ語とかでてきて意味フだったり、俺は観てる途中でフッと集中を切らされたような感じでした。

でも総合的には「good」です。
好き嫌いはあると思うけど、シナリオは最高なので、是非オススメします。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 10

84.4 4 群像劇で鬱なアニメランキング4位
GUNSLINGER GIRL [ガンスリンガーガール](TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1145)
7517人が棚に入れました
舞台は現代(もしくは近未来)のヨーロッパ。イタリアの公益法人「社会福祉公社」は、政府の汚い仕事を代わりに行っている。その中でも作戦2課では現在表向きは障害を抱えた子供達を引き取って福祉事業に従事させることで社会参加の機会を与える、という身障者支援事業を推進する組織という名目で、集めた子供達を「義体」と呼ばれる強力な身体能力を持つ肉体に改造し、薬物による洗脳を施した上で、政府の非合法活動に従事させていた。
また、この社会福祉公社と敵対する反政府活動組織は五共和国派(通称パダーニャ)は、北部同盟党首ウンベルト・ボッシが提唱する、北部8州と中部3州をイタリア共和国から分離独立させて「パダーニャ共和国連邦(Repubblica Federale de Padana)」を樹立する、という構想を実現する為に武力闘争を行っている。

声優・キャラクター
南里侑香、木内秀信、三橋加奈子、宮本充、仙台エリ、江原正士、小清水亜美、堀内賢雄、寺門仁美、井上倫宏、家中宏、中川里江、岩崎征実

mtah さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

心に残る作品を観たい方に勧めます

隠れた名作と聞いて観てみました。

イタリアを舞台に、義体という人口の身体をもち、反政府組織に対する暗殺に使われる少女たちに焦点を当てたストーリーになっていて、大体が1話完結になっています。

ちょっとした良い話や、切ない話などありますが、設定も難しくなく、感情移入しやすいと感じました。義体の少女たちが一見普通の女の子で、個人の感情も普通に持ち合わせているからなのでしょう。どの話も、何かしら心に引っかかるものがあるような気がします。これが隠れた名作か、と納得しました。良かったです。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 17

レイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

倫理観を見つめ直させられる問題作

自分は原作から読んでいて、この1期はその様々な要素を忠実に再現されていて非常に楽しめました。
絵も音楽もそんな世界観を非常に上手く表現してました。

画面全体は基本的に暗く、倫理観を自問させるような暗い物語ですが…個人的にはかなり高く評価できると思います。
見始めてすぐに世界観にのまれてしまいました。

(ここに1・2期両方の事を書かせていただきますがご了承下さい。)
ですが、とても気に入らなかったのが2期です。
1期が制作され2期の制作までかなりの時間が経っていた為、制作スタッフや声優のほとんど全てが変わっています。
それで、原作・1期と2期は全く別もので…2期を1期からの続編と期待したら落胆すると思います。
2期は基本的に明るすぎて、どの少女達も条件付けされているのに人間臭すぎて性格・喋り方も全く別人になっちゃってます。
義体の少女達だけでなくその他の登場人物もです。
人を殺すのに無感情な感じでなく生き生きし過ぎていたりと…物語の根幹となる倫理的な概念が変わりすぎていた様に感じました。
それで、とても残念でした。
絵も最近風みたいになっちゃって…
でも、音楽は1・2期それぞれに雰囲気は違うけどどちらも好きです。
2期の音楽はだーまえが若干関わってますし(笑)

でも一応、2期も全く別物として見ました。
2期だけを1つの作品として見れば悪い物ではなく普通に楽しめますから♪

実際、倫理的な問題で賛否両論分かれ評論家の方々も色々言われた作品ですが個人的には高く評価できるものだと思うので是非、見てもらいたいものです。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 21

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

極めて退廃的かつフェティシズムに溢れた群象劇 あるはずのないものを信じる勇気をもらえる「たった一つの」演出が魅せる技

1話から終始悲劇のヒロインを堪能できる作品です
ヒロイン達は陰惨な過去を捨てさることで今を生きる
それがいずれは滅び行く身体と言う事実を視聴者は物語の真っ只中で突きつけられる
彼女達には初めから未来が無い
しかし彼女達は笑顔で「生きること」を実感する喜びに浸る
彼女達が尽くすのは何か?
恋愛か?
慈愛か?
恩義か?
使命感か?
はたまたただの洗脳でしかないのか?
人の心がそうであるように、
全てが明かされない曖昧なままなところが素晴らしい
だけど本当は彼女達も分かっている
でも彼女達にはそれを拒否する術も言葉も無い


基本は群像劇なので各ヒロインごとの語り口で物語が進みますが、シリーズ全体では「ヘンリエッタ」(或いは最終話のアンジェリカ)が物語の軸となるように構成されています
ここが後のシリーズや原作との最大の相違点でしょう
ただ近づく死と向き合いながら戦う少女達に感銘し、オイラは男泣き


特に個人的に注目したいのはクラエス
クラエスは担当官との記憶をなくしているわけですが、
最後にした約束である
「眼鏡をかけているときは優しいクラエスでいてくれ」
の一言を誰に言われずとも守り続けている


そして第12話
囮捜査によって敵のアジトで人質となってしまうクラエス
そこに奇襲を掛けた仲間が駆けつけ、
クラエスも自ら脱出の道を開くため反撃を開始する


そのほんの一瞬、
クラエスは【無意識のうちに自分で眼鏡を外す】のです
記憶をなくしているはずのクラエス、あのクラエスが
そして彼女は別人の様な鋭い目付きで敵を薙ぎ倒していく・・・
そうあれは確かに別人だったんだと思う
記憶のないはずのクラエスが無意識下で感じていた絆と約束
そんな切ないものをたったワンカットで示した演出
スタッフさんたちの仕事ぶりには最大の拍手を送りたいです

投稿 : 2025/01/18
♥ : 33
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